精神安定が大事「コミュニケーション能力」

 新たな生活が始まって、ひと月が過ぎようとしています。私の職場でも社会人一年生が、大変、キツイと漏らしていたり、先輩スッタフが張り切りすぎて、いじめギリギリの指導をしていたりと色々あります。そこで、健康管理一般指導の「ぽすぴ」という冊子にコミュニケーション能力の項目があったので、紹介したいと思います。

 

コミュニケーションとは、こちらの意思を伝えることと、相手の意思を理解することで成り立ちます。上手くコミュニケーションを取ることができれば、家族や友人と良好な関係を築くことができます。

 

(1)「共感」から「コミュニケーション」へ

 意志の伝達には言語を使うのが一般的ですが、実は言語以外にも必要な能力があります。それは、相手が注視するものに自らも注意を向けたり、その注視の意図を理解する能力です。これを共同注視(ジョイント・アテンション)といいます。人間には、乳幼児期からこうした能力が備わり始めます。生後1年ころから、赤ちゃんは、親が見つめたり指をさしたりした先を目で追い、対象物を見つけることができます。ほどなくして、自分でも離れたところにあるものを指さし、「あれが欲しい」というメッセージを伝えるようになります。さらに、指をさしながら「あんなものがあるよ」と言わんばかりに相手に振り向くといった行為は、何かを発見したことをあえて伝え、それに対し共感を求める行為です。共感は、ほかの動物では見られない人間ならではのコミュニケーションです。さらに、4歳くらいになると、相手の考えを推測し、相手の心が自分とは違うと理解するようになります。そうすることで、相手の立場にたって考えることができるようになり、コミュニケーションが成立するようになるのです。

 相手の気持ちを理解し共感ができることが、人間だけが持つ細やかなコミュニケーション能力を支えています。

 

(2)コミュニケーション能力UPには「セロトニン」

 

 コミュニケーション能力をUPさせるためには、神経伝達物質「セロトニン」の分泌を高めることが重要です。

 

<セロトニンの働き>

 セロトニンとは、精神を安定させてくれる神経伝達物質です。これまでの章で出てきたノルアドレナリンやドーパミンなどは、「興奮系脳内物質」と呼ばれますが、それに対しセロトニンはそれらの過剰な分泌を抑え、脳内物質のバランスを取る「調整物質」です。セロトニンの分泌が高まった状態では、癒しをもたらし幸福感を与えてくれ、前向きな気持ちにさせてくれます。セロトニンの分泌が高まり、心が穏やかであれば、相手の話に耳を傾け、相手の気持ちに共感し、その結果コミュニケーション能力を高めることができます。セロトニンの働きを活用し、多くの方と良好な関係を築きましょう。

 セロトニンが足りなくなると、感情の抑制がきかなくなってイライラしたり、相手に攻撃的になったりする傾向がみられます。精神が不安定な状態が続くうつ病では、セロトニンの分泌が低下していることが分かっています。

 

<セロトニン」の分泌を増やすには>
 ●朝起きて太陽の光を浴びる

 朝起きて太陽の光を浴び、その刺激が目の奥の網膜から視神経を通り、視床下部に ある「視交叉上核」に伝達されるとセロトニンの合成がスタートします。

そして、脳全体が活動をスタートさせ、セロトニンによって快適な1日が始まります。逆にセロトニンの分泌が低下していると、気分が憂うつになり、「何もしたくない」「このままずっと寝ていたい」と感じるようになります。このように感じるのであれば、セロトニンの分泌が低下している証拠です。この状態ではコミュニケーションを取る気にもなれません。

 朝、太陽の光をしっかり浴びるためには、カーテンを開け、太陽の光が部屋の中に差し込むようにするとよいでしょう。可能であれば、カーテンを少し開けた状態で寝ることがおすすめです。なぜなら、太陽の光により体内でセロトニンの合成がはじまり、脳に活動開始の命令がでるため、自然と太陽の光が差し込むようにすることで、目覚まし時計が鳴ってからカーテンを開けるよりも、よりスムーズな目覚めを促してくるからです。戸を閉めて寝る方や、遮光カーテンを使用している方は、ぜひ工夫してみましょう。

 

* 少し環境を考えて、工夫してもう少し頑張ってみませんか?石の上にも三年です。